お店からのコメント

　問屋町は京都の台所を支えるところとして、錦市場と競っていた。その由緒ある場所で代々、青物問屋として店を構え、当時から木の芽やふき等の促成栽培を行うなど進歩的な経営を行っていた「野村治朗助商店」は漬物を慶応年間に始めている。名物である「小粒丸茄子・からし漬」は明治初期、十一代の当主である。伏見の小粒茄子を一年間塩漬けし、からしや砂糖などで、本漬けする。二年以上かけて作られる、からさと甘さの妙味は絶品で、数々の受賞に輝く京都の味を代表する逸品である。また、当代で十三代目、野村琢伍は常に伝統にとどまらず、減塩の漬物に取り組んだり、ヘルシー指向のニーズにも応えている。