株式会社 木村桜士堂

可愛い人形を世界の人に届けたい!
創業130年の人形店が抱える葛藤と挑戦


※とても可愛いらしい一休さんは生産が追いつかないほどの人気商品

観光客でにぎわう清水寺の参道に店を構える木村桜士堂。多様な京土産が並ぶその店内の一角には伝統的な技法で1つずつ手作りされている“京陶人形”があります。本日は海外進出など新たな挑戦を続ける4代目木村社長に老舗企業ならではの葛藤と「京陶人形」の魅力、更には今後の展望についてお伺いしてみました。

1.木村桜士堂さんに行ってきました!


※観光客で賑わう木村桜士堂

清水寺の門前にある木村桜士堂は1887年(明治20年)に京みやげ店桜士堂として創業、その後京人形の木村桜士堂として独立。以降、長きにわたり京人形などの土産物を多くの観光客に提供してきました。

お店を訪ねてみると、可愛い置物・小物類から伝統的な京人形までとにかくバラエティ豊かな商品の品揃えにびっくり。

「観光地なので修学旅行生が来たり、外国の方が来たり。更には国籍によっても好みが異なるので、皆様に喜んでもらおうと商品を揃えていくとこんなバラエティ豊かなラインナップになるんです」と語るのは4代目木村社長。なるほど、確かにお店前の参道は人で溢れ返り、外国の方の姿もよく目立ちます。

「何もないところにポンと可愛らしいものがひとつ置いてあるだけで場が和む。そんな小さくても存在感があって空間に彩や華やかさを与える可愛らしい人形をご提供したい」商品を手にとり、ほっこり微笑むお客様の顔を見ていると、そんな社長のこだわりが十分に伝わっているようでした。


※お店の奥には多くの京人形が並んでいる

更に店の奥に歩みを進めると、木村桜士堂オリジナルの京人形が多く並んでいました。「京陶人形」という聞きなれない言葉を尋ねてみると、京都で作られている素焼人形のことで、昭和32年に「京陶人形」と命名され、以後、独自の道を歩んでいるとのこと。

我々が興味を示すと、長年木村桜士堂さんと連携して京陶人形を製造されている、京陶人形工芸協同組合の認定工房「土田人形」さんをなんとご案内頂けることとなりました(!)

2.「京陶人形」の製作現場へ潜入!ハンドメイドが魅せるその世界とは!?

場所は打って変わり、一路閑静な住宅街に佇む「土田人形」さんの事務所兼製作現場へ。
ここ土田人形では「原型製作(粘土を使った人形の原型づくり)~型取り~焼成(素焼き)~面相(眉、目、口などの描き入れ)」まで大きく6つの工程を一貫製作。特に大量生産の肝となる「型」を作れる製造元は現在限られており、自社で全て製造できるのは土田人形さんならではとのこと。

「一度型取りできれば何千もの人形を作りだすことができる。型の発展が大量生産を可能にし、産業の発展を支えてきた。型こそ財産であり、倉庫に大切に保管している。」

そう土田社長は熱く語ってくれました。保管数を伺うとなんとその数1500!その多さにこれまでの歴史の重さを感じずにはいられませんでした。


※土田社長が財産と語る「型」

そして事務所2Fに上がると、そこには素焼きされた人形に色付けや顔の描き入れを行う作業場が。

そして、人気商品の“一休さん”に目の描き入れをする様子などを見せて頂くことができました。

「コンマ何ミリのずれで表情が大きく変わる。このような手作業の積み重ねによって作品がどんどん精巧になっていく」と土田社長。

一休さんのこの愛らしい形・表情も、ハンドメイドで一つ一つ手間暇かけて作り上げられているからこそと感心させられました。


※一休さんの目の描き入れ。この精巧で愛らしい形・表情はハンドメイドならでは

このようなこだわりの人形をこれからも安定的に作り続けていくためには、後継人の育成が大事になりますが、難易度の高い型取りなど、土田社長のように全ての工程をできる跡継ぎがなかなか見つからない、育たないのが悩みとのこと。

そのような厳しい状況にも負けず、これからも良いものを作り続け、「京都にこんな素晴らしい人形を作っているところがある、ここに行けばそんな人形が買える」ということを是非皆さんに知って頂きたいですし、木村桜士堂さんで買われたそのようなお人形が、お客様を通じて日本各地・世界各国へ広まっていけばいいなと強く感じました。


※土田社長による即席での原型製作。何もないただの粘土が愛らしい招き猫へ変身。さすが長年培った技術の賜物!!

 

さて、次は再び木村社長に今後の展望を伺ってみました。

3.4代目木村社長の今後のチャレンジ

「木村桜士堂のお店には色々な層の方が来られるので、人形以外にも様々な商品を陳列しています。なので、専門店への憧れはありますね」

再び事務所に戻ったところで、木村社長に今後の展望について伺うとそんな言葉が。
人形に、その中でも陶人形、こけし、だるま等・・・ 特定の種類にこだわった新店舗(?)への憧れを語ってくれました。

木村桜士堂は卸売と小売をしており、卸としては人形のみを扱っていますが、多様なお客様ニーズに応えるための人形だけでない商品ラインナップとしているため、人形に関する専門店を運営したい想いがあるようです。


※今後のチャレンジについて熱く語る木村社長

更に木村社長の思いは留まることを知らず、他にもたくさん(!)

「やれるなら逆張りで“恐怖の資料館produced by 木村桜士堂”みたいなのやりたい。その人形一個置いただけで部屋の雰囲気がガラッと変わるような」
「これまでアメリカ、中国、フランスなどへの海外展開は色々と行ってきたが、日本と外国の交流という意味では、外国のかわいい人形を紹介するコーナーを店舗に作っても面白いかも」
ロボットも可愛くて癒しになるようなものは人形というドメインに入るのでは。どうでしょう?」

たくさんの人に喜んでもらいたい、人形という産業を盛り上げたい、そこに関わる人が安心して生活できるようにしたい、そんな思いがあるからこそ木村社長の見据えるその未来のスケールはこんなにも大きいのだとびっくりし、同時になんだか妙に納得しました。

しかしその新たな一歩がこれまでの130年の歴史を変えてしまうからこそ、社員さんの中でも大きく意見が分かれているようで、そこに老舗ならではの大きな悩み・葛藤を感じました。

「清水寺の前にある可愛い人形を扱う老舗の木村桜士堂さん」が恐怖の館なのか、ロボットなのか、はたまた京人形専門店なのか。次にどんな一歩を踏み出すのか、とってもワクワク!
今後の木村社長、木村桜士堂、そして土田人形のチャレンジを是非楽しみに、そして応援していきたいと思います。


※最後に土田人形さんが作られた干支の置物の前で皆で記念撮影。取材させて頂きありがとうございました!
(写真中央の黒い服を着ているのが土田社長、一番左は江村商店の江村専務)

株式会社 木村桜士堂

◼︎株式会社 木村桜士堂
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